時しらず鮭、鮭フレーク・切り身、いくらの通販|根室からのお届け物

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北海道だより

閉ざされた海と恵みの流氷

閉ざされた海と恵みの流氷
シリーズ.3 <2010.11>

鮭は回遊魚です。ユーラシア大陸の北東部を流れるアムール川と資源豊かなオホーツク海は鮭のふるさとになります。
モンゴル高原東部のロシアと中国との国境を源流とし、全長4444kmを流れ、樺太(サハリン) 北部に向けて流れるアムール川の水は塩分を含まない真水であることは勿論のうえ、 大量の植物性プランクトンを含んでいまず。
その川の水が流れ込むオホーツク海は、シベリア大陸、カムチャツカ半島、千島列島、 そして北海道に囲まれており、閉ざされている形になっています。
衷面に浮かんだ塩分が低い海の水は、冬の北風で凍るることにより、栄養分を多量に含んだ流氷が 出来上がります。また、海の表面の温直が冷えることによリ海の底に沈んでいる栄養素を浮き上がらせます。 (お風呂のお湯を長時間放置しておくと、上が熱くなリ下が冷たくなる原理と一緒ですね。)

その栄蓋素を流氷に付着した植物性プランクトンが食ぺて繁殖することによリ動物性プランクトンも繁殖し、 海の生物が豊富になります。また、植物プランクトンが沈んでいくことによリ、エビやカニ、 ホタテなどの貝類も育っていきます。こうした壮大な生態系があるカ'らこそ、オホーツクの海という資源豊かな漁場が出来上がるのです。

また川に戻ってきた鮭を熊が食べ、その糞が森林を育てることによリ、再び陵から沢山の栄養分を含んだ川の水が海に流れます。 海と大地の関係は全く別なものではなく、切っても切れない表裏一体の関係だということがいえます。

一面広がる青い海が純白の流氷に変わっていく風景もさることながら上空から見る流氷は、まるで模様を描くように流氷が描かれておリ、 壮大な冬の大自然の美しさを肌で感しることが出来ます。



若潮丸とかあさんのキャラメル

若潮丸写真
シリーズ.2 <2010.8>

今回は創業者故小林正弘と故つねの物語です。
時は昭和30年代、経済は右肩上がりで発展し、高度成長期とともに家庭には白黒テレビなどの 家電製品が徐々に普及し、外には今のような電車の姿がなく、まだ蒸気機関車が走っていた時の頃の お話です。

小林正弘とつねは家族を伴って、北洋さけまず出漁準備が整った「第ハ若潮丸」を見送リしていましたが、 出港時間が過ぎても一向に船は動き出そうとしません。しばらくしてブリッジから声をかけて来たのは、 船頭さんでした。
かあさんのキャラメルがまだ届いてねえんだ。こればっかりは若い衆の縁起もんだからなあー!」。


そうでした。あの子たちには元気の素である「キャラメル」が必要なのでした。
つねは「他にも美昧しいものがあるのに…」と思いつつも、慌ててキャラメルを取リ寄せました。 「あの子達がまたわたしのキャラメルを信していると思えば嬉しいねえ」とつねさんは呟いていると、 ダンポールいっぱいに詰まった古谷のウィンターキャラメルが届きました。
「待たせちゃったねえ一!いっぱい赤いおさかなをとって、元気で帰ってきてね!」 と労いの言葉と共に船頭さんに渡すと、若潮丸はようやく根室港を離れていきました。

「かあさんありがとう」「かあさん行って来ます」
静々と地平線の彼方へと向かう船から手をふる船員達。
とびっきりの笑顔と共に手を振るつねさんの首元には水色のハンカチーフが潮風に揺られなびいている。
あれから50余年、漁船団の規模も小さくなってしまいましたが、根室の出漁船の風物詩は今も変わらず続いています。



エゾカンゾウが咲く頃に

エゾカンゾウ写真
シリーズ.1 <2010.5>

「北海道神宮例祭(6月14〜16日)が始まる時期を境目に、時しらずの取引に荷受けや市場が何を言っても応じてくれなくなる。」と、 加工業者では当たり前のように昔から言われ続けていました。確かにその時期を境に、エゾカンゾウが鮮やかな琵琶色に染まるのとは裏腹に、 時鮭の身は急に細くなっていきます。温度に敏感な鮭はわずかな季節の変わり目を察知し、それに対応していくのでしょうか。
西カムチャッカ、オホーツクへ回帰する「時を知らない魚」時しらずの解禁は4月の中旬からで、初物の時しらずは縁起物として大変重宝され続けてきました。 時しらずとは、若い青年期の白鮭のことであり、成長途中なので身に栄養分が凝縮されており、鮭が好きな日本人にとっては、大変美味しい魚とされています。 「春鮭鱒」というと、以前は秋鮭と並ぶ繁忙期の代名詞でしたが、現在は日露関係による問題や、産地高消費安など様々な問題が立ちふさがり、 昔の華やかさを知っている人には、なんとも寂しいものを感じるかもしれません。
ちなみに、エゾカンゾウの花言葉は「情熱」なのですが、盛んだった時から今までを見守り続け、 その盛んだった頃の「情熱」をいつまでも忘れないためのメッセージなのかもしれません。